櫻井 文仁 教授
[専門分野]
・機械加工
・品質管理
[担当授業/本科]
・機械工作法
・3D-CAD
・生産管理
・機械工学特論II ・機械工学概論
・リサーチラボ入門
・工学実験
・卒業研究
[担当授業/専攻科]
・精密加工論 ・生産システム工学実験
・特別研究
樋口 雅人 講師
[専門分野]
・機械加工
・品質管理
・ナノテクノロジ
[担当授業/本科]
・機械工作法
・3D-CAD
・工作実習 ・機構学
・エレクトロニクス概論
・計測工学
・機械工学特論II
・機械工学概論 ・リサーチラボ入門
・工学実験
・卒業研究
[担当授業/専攻科] ・機械・材料力学演習
・特別研究

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1 加工技術研究室
当研究室は、切削加工、超精密加工、製造 技術を3本の柱とし、生産技術の研究を行っている。
2 切削加工に関する研究
(1)加工技能者確保の研究
現在は,加工技能者の確保が難しくなっている。 従来は,現場で(長い間)切削作業に従事させ,経験が 豊富になった時点で,切削条件を決定する担当者に昇格
させていた。しかし現在の若者は現場で長い間経験を積 むことをいやがり,厳しく指導するとやめてしまう。こ のため,切削条件を決定する担当者の高齢化が進んでお
り,これらの高齢者が定年になると,高額な工作機械を 使いこなせる人がいなくなる可能性が高くなっている。 切削条件を決定する作業を標準化しておかないと加工
技能者の後継者育成が困難な状況にある。本研究室では, 工具交換時期と切削速度等を,熟練工でなくても,手順 さえ踏めば合理的に決定できる仕組み(切削条件決定作
業支援システム)を研究している。
(2)工具費低減の研究
摩耗した工具で切削すれば不良品になる。加工担当者 は不具品を出すと注意されるから,不良品を出さないよ うに工具を早めに交換する傾向がある。工具交換時期等 はすべて担当者任せになっている。工具費を低減するた めに工具の寿命分布を考慮して最適な工具交換時期や切 削速度等を合理的に決定する方法を研究している。
(3)切削案件の最適性の研究
機械加工における切削条件は,経験と実績と勘を頼り であり,労力と時間をかけて決定しているのが,それら が最適な値になっているかチェックする方法がない。生 産性,経済性より,工具の寿命分布も考慮して切削案件 を合理的に評価する研究を行っている。
(4)自動加工を無人運転する研究
自動化された切削加工では,工具が突然欠け,切削不 能になることがあるため,機械を復旧させる作業者をつ けておかなければならない。自動加工を無人運転するに
は加工の中断を未然に防ぐ工具交換時期や切削速度を決 定する必要がある。自動加工を無人運転するために,工 具の摩耗や破損による加工の中断を未然にふせぐ、工具交
換時期や切削速度を合理的に設定する方法を研究してい る。
(5)環境に優しいセミドライ加工の研究
切削油を使用すると廃液処理が必要になる。切削油を 噴霧にして吹き付けながら加工するセミドライ加工は, 時代の二一ズにあった加工技術である。セミドライ加工 の冷却効果や潤滑効果が,表面あらさ,寸法精度,工具寿 命等に与える影響を明らかにする基礎研究を行っている。
3 超精密加工の研究
(1)バレル研磨による超精密加工の研究
半導体製造用ガスの純度は年々高くなり,それらのガ スを充填しておく圧力容器(ガスボンベ)内面も超精密 鏡面加工が要求され,近年では表面粗さが最大高さで 1μmRy以下の超精密加工品質が要求されるようになっ てきている。本研究はボンベ内面を,バレル研磨で 111mRy以下に超精密加工する技術を確立することが目 的である。
(2)電解研磨による超精密加工の研究
上記のバレル研磨で1μmRy以下に超精密加工するに は,荒研磨に5時間,仕上げ研磨に2時間,合計7時間 もの長い時間がかかる。電解複合研磨により研磨時間を 短くすることが目的であり,新しい電解複合研磨装置の 製作を含め,新しい加工技術にチャレンジしている。
4 製造技術の研究
社会の二一ズにあった製造技術として,上記の研究の 他に次のような研究にもチャレンジしている。
(1)鉄骨加工用定規製造装置(鉄骨くん)の開発 5年間の産学共同研究(株式会社吉田鉄工所)で 実用化し,発明協会より科学技術庁長官奨励賞を受 賞し,グッドデザインぐんまにも選定されている。 産学共同による国有特許も取得している。
(2)建築廃材のクラッシャー(砕いた君)の開発
(3)エンドミルによる内径ヘリカル加工技術の開発
(4)電解研磨とバレル研磨を併用する電解バレル研磨 技術の開発
(5)同際協力を目的としたマカデミアナッツの自動殻 割り機の製作
5 レーザ干渉計を用いてナノメートル以下の動きを測定する研究
高い直進性と短い波長を持つレーザ光線は,様々な測定に利用されています.例えば,物の動きを測定するレーザ干渉計というものがあります.高い正確性のために波長が安定化されたレーザ光源を,高い分解能のために変調・復調法を組み合わせることで,ナノメートル以下の高い精度で物の動きを測定することが可能となります.ここで,ナノメートルとは髪の毛の直径(およそ0.1ミリメートル)の1/100000の長さです.また,測定結果はメートル定義に準拠することもできます.このようなレーザ干渉計は,三次元測定機や半導体露光装置の位置決めの際の測長センサとしての利用が期待されております.
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